蘭鋳郎の日常

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help RSS 蘭鋳郎観劇記録 昭和51年〜56年

<<   作成日時 : 2010/08/08 12:50   >>

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 前回の私的「玉三郎と歌右衛門」その1 に関連して、昭和51年から昭和56年までに僕が関西で実際に見た歌舞伎の舞台を列記しておきます。


昭和51年12月 南座顔見世 夜の部
 「葛の葉」  雀右衛門の女房葛の葉と葛の葉姫、九代目宗十郎の保名、四代目尾上菊次郎の信田庄司、二代目中村成太郎の庄司女房ほか。初めて見た歌舞伎の舞台。今にして思えば、良い演目に当たったものです。初心者に分かりやすいし、ケレンなどの見せ場もある。奥の間で葛ノ葉が口に筆をくわえて曲書きする所は、一種のケレンですが、子供が絡んで悲劇性を盛り上げるので、食い入るように舞台に熱中しました。

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 「碁太平記白石噺」 沢村藤十郎の信夫、七代目梅幸の宮城野、十三代目仁左衛門の大黒屋惣六。初心者には何が何だか分からない芝居。ただ梅幸の傾城姿と、十三代目の癖のあるセリフ回しが薄ボンヤリと記憶に残っています。
 「連獅子」 十七代目勘三郎の親獅子、勘九郎(現・十八代目勘三郎)の子獅子、富十郎と九代目宗十郎の宗論。中村屋親子の至芸は初心者にも理解出来ました。特に小獅子が谷底に突き落とされて、コロコロと転がる所の勘九郎の身のこなしが素晴らしかった。
 「時雨の炬燵」 二代目鴈治郎の紙屋治兵衛、十三代目仁左衛門の粉屋孫右衛門、中村扇雀(現・坂田藤十郎)の女房おさんと紀伊国屋小春、嵐璃かくの舅五左衛門、松若の太兵衛と嵐三右衛門の善六ほか。扇雀がおさんと小春を早替わりするのを見てビックリ!歌舞伎に魅了されたきっかけの一つです。
 「二人椀久」 雀右衛門の松山、富十郎の椀久。

昭和52年5月 南座 「小笠原騒動」
 猿之助の犬神兵衛、奴菊平、岡田良助、小笠原遠江守の小姓。二代目鴈治郎の小笠原遠江守、段四郎の小平次、先代門之助のお大の方と小平次女房、東蔵の良助女房と小笠原豊前守、先代上村吉弥の良助老母、中村米吉(現・歌六)の小笠原隼人ほか。猿之助の良助が水車につかまってクルクル廻るのが面白かった。

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昭和52年12月 南座顔見世 夜の部
 第一「新宿夜話」 斎藤甚五左衛門(十三代目仁左衛門)、斎藤大八(孝夫=現・仁左衛門)、大八の馴染み女郎(秀太郎)ほか。
 岡本綺堂の新歌舞伎で、旗本・斎藤甚五左衛門の弟・大八が酒に酔って内藤新宿で狼藉を働くので、酔客が寄って集って大八を辱め、刀を奪う。そこへ甚五左衛門が現れ、大八に切腹を命じ、その代償として斎藤家の家禄を幕府に返上する代わりに新宿の盛り場の取りつぶしを願い出る。甚五左衛門の意地が通って、一旦、新宿は寂れる。しかし、30年後、旅の僧となった甚五左衛門が新宿を通ると、もとの盛り場に戻っていて、時の流れの無常を感じるという物語。この時以後は、東西の劇場で上演されていません。

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 第二「熊谷陣屋」 八代目幸四郎の熊谷、十三代目仁左衛門の弥陀六、二代目鴈治郎の義経、芝翫の相模、扇雀(現・坂田藤十郎)の藤の局。この時は珍しく、藤の局の入りこみから上演。幸四郎の熊谷の異様な立派さ!

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 第三「かさね」は前回に記した通り。
 第四「沼津」 二代目鴈治郎の十兵衛、三代目延若の平作、現坂田藤十郎のお袖、嵐璃かくの安兵衛、我当の孫八。二代目鴈治郎の十兵衛が自在の芝居で、特に前半の小揚がウキウキするような楽しさでした。

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 第五「藤娘」 雀右衛門の藤娘。終了したら、11時近くでした。


昭和53年5月 南座 夜の部 
 第一「平家蟹」  雀右衛門の玉蟲、東蔵の玉琴、我当の那須与五郎、四代目尾上菊次郎の僧雨月実は弥平兵衛宗清。
 第二「黒塚」  猿之助の老女岩手実は安達原の鬼女、先代門之助の僧・祐慶、段四郎の強力ほか。
 第三「助六曲輪澤潟桜(すけろくくるわのいえざくら)」  猿之助の助六、二代目鴈治郎の意休、雀右衛門の揚巻、東蔵の白玉、段四郎の門兵衛、先代門之助の白酒売新兵衛、四代目菊次郎の曽我満江ほか。水入りが付いていました。下のイラストは二代目鴈治郎の意休。

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昭和53年12月南座顔見世 昼夜観劇。
 昼の部。第一に「矢の根」が上演されましたが、まったく記憶なし。第二「いもり酒」の幕切れ近くで、十三代目仁左衛門の新洞左衛門が黒い玉をパカッと割る場面だけがバカに鮮明に記憶に残っていますが、後は全く憶えていません。おそらく「いもり酒」の途中から観劇したものと思われます。

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 第三「河庄」 扇雀(現坂田藤十郎)の治兵衛、二代目鴈治郎の孫右衛門、九代目宗十郎の小春ほか。二代目鴈治郎の孫右衛門が「歌舞伎役者の真似をして」という所で、見得をするような所作をしたのが面白くて印象に残っています。
 第四「魚屋宗五郎」 二代目松緑の宗五郎、七代目梅幸のおはま、寿美蔵の父親、初代辰之助の三吉、雀右衛門のおなぎ、吉右衛門の磯部主計之助、四代目尾上菊次郎の浦戸ほか。
 二代目松緑の宗五郎は、酔っ払っておはまと揉み合い、2人がひっくり返って、先に立ちあがった宗五郎が外へ出て行こうとすると、お浜が裾を引っ張って行かせない所が鮮明に記憶に残っています。実は僕は、二代目松緑の宗五郎を実際に見た事はないと思い込んでいて、この場面の記憶もテレビで見たものとばかり思い込んでいました。それが今回、古い記憶を調べて見て、この時、二代目松緑の宗五郎を観た事を知り、この記憶もテレビでなく、実際の舞台の記憶と気が付いたのです。
 第五「釣女」 孝夫の大名、沢村藤十郎の上掾A十三代目仁左衛門の太郎冠者、十七代目勘三郎の醜女。

 夜の部
 第一「廓三番叟」 雀右衛門の傾城、秀太郎の新造、宗十郎の幇間。
 第二「安達原三段目」 十七代目勘三郎の袖萩と貞任、十三代目仁左衛門の南兵衛、二代目鴈治郎の八幡太郎、坂東好太郎の直方、四代目菊次郎の直方奥方。十三代目の南兵衛の古怪な芝居っ気と、十七代目の袖萩のウエットな芝居が記憶に残っています。

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 貞任はブッ返りがなかったように思いますが…この辺りは記憶がアヤフヤ。

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 第三「吉野山道行」 二代目松緑の忠信、七代目梅幸の静、我当の早見藤太。清元で太った2人が綺麗に踊っていたのが印象に残っています。

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 第四「土屋主税」 二代目鴈治郎の土屋主税、吉右衛門の大高源吾、現・坂田藤十郎のお縫、坂東好太郎の其角、中村松若の其月ほか。二代目鴈治郎の老練さで見せた芝居。今見たら、こんなつまらない芝居だったの?と思うでしょうね。
 第五「勧進帳」 初代辰之助の弁慶、孝夫(現仁左衛門)の富樫、沢村藤十郎の義経ほか。辰之助と孝夫の山伏問答がスリリングな盛り上がりで魅了されました。

昭和54年
 7月 南座 「天守物語」  前回記した通り。
 9月 南座 「伊達の十役」 猿之助の十役、二代目鴈治郎の八汐と祐天上人、段四郎の渡辺民部、先代門之助のおりく、当代門之助の京潟姫、嵐璃かくの大江鬼貫、市川寿美蔵の渡辺外記、嵐雛助の三浦屋女房と栄御前ほか。猿之助の十役早替わりの熱気と、よく出来た脚本で、非常に面白く見物。

 12月 南座顔見世
 第一「根元草摺引」 我当の曽我五郎、秀太郎の小林舞鶴。
 第二「傾城反魂香」 延若の又平、芝翫のお徳、四代目菊次郎の土佐将監、嵐雛助の北の方、福助(現梅玉)の雅楽之助、児太郎(現福助)の修理之助ほか。延若の又平は六代目風の写実演技と違い、義太夫味を前面に押し出した古風な演じ方。
 第三「京人形」 左団次の左甚五郎、扇雀(坂田藤十郎)の京人形、秀太郎の甚五郎女房、孝夫(当代仁左衛門)の奴、松江(現魁春)のお姫様ほか。左団次の襲名披露狂言。
 第四「酒屋」 二代目鴈治郎のお園と半七、十三代目仁左衛門の宗岸、三代目延若の半兵衛、五代目上村吉弥の半兵衛女房、扇雀(坂田藤十郎)の三勝。二代目鴈治郎のお園は一世一代。中村玉緒そっくり!
 第五「籠釣瓶花街酔醒」。 歌右衛門の八ツ橋、吉右衛門の次郎左衛門、左団次の治六、福助(現梅玉)の栄之丞、芝翫の九重、松江(現魁春)の七越、児太郎(現福助)の初菊、延若の立花屋、東蔵のおきつ、五代目片岡市蔵の権八ほか。

 夜の部
 第一「車引」 孝夫の松王、左団次の梅王、福助(梅玉)の桜丸、嵐璃玨の時平ほか。
 第二「将軍江戸を去る」  吉右衛門の慶喜、孝夫の山岡、我当の高橋伊勢守、左団次の天野八郎ほか。吉右衛門の慶喜はとにかく暗い!でもそこが面白い。
 第三「お夏狂乱」  歌右衛門のお夏、二代目鴈治郎の馬子。鴈治郎の馬子が怪演!
 第四「七段目」  十三代目仁左衛門の由良之助、扇雀(坂田藤十郎)のおかる、延若の平右衛門、片岡市蔵の九太夫、璃かくの伴内、秀太郎の力弥ほか。上方式の七段目。下のイラストは市蔵の九太夫。

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 第五「蝶の道行」  芝翫の助国、扇雀(坂田藤十郎)の小槇。


昭和55年
 5月 南座 「双絵草紙忠臣蔵(にまいえぞうし ちゅうしんぐら)」 昼の部観劇。
 猿之助一座による仮名手本忠臣蔵と四谷怪談をテレコで見せる芝居。昼の部は忠臣蔵が大序、三段目、四段目まで見せて、四谷怪談の浅草観音、地獄宿、浅草田圃裏、伊右衛門浪宅・伊藤宅、夢の場という場割。最後の夢の場で、猿之助の岩が宙乗りになって花道を引っ込みました。
猿之助の若狭、由良之助、お岩、直助。二代目鴈治郎の師直、九代目宗十郎の顔世と伊右衛門、先代門之助の判官、田之助のお袖、段四郎の与茂七ほか。
 鴈治郎の師直が自由奔放な芝居で煙を巻き、猿之助の岩と宗十郎の伊右衛門という不思議なコンビも印象に残っています。

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 6月 中座 関西で歌舞伎を育てる会公演
  第一「歌舞伎の見方」
  第二「鳥辺山心中」  孝夫(現・仁左衛門)の菊池半九郎、沢村藤十郎のお染、海老蔵(現・団十郎)の坂田市之進、市川右之助のお花、八十助(現・三津五郎)の源三郎、寿美蔵のお染父ほか。この芝居の初見。適材適所で大変面白く見物しました。
  第三「ちょいのせ」  二代目鴈治郎の善六、沢村藤十郎のお染、海老蔵の久松、孝夫の山家屋清兵衛、嵐璃かくの源右衛門ほか。二代目鴈治郎の善六と璃かくの源右衛門の縦横無尽なアドリブの応酬に抱腹絶倒させられました。

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 9月 南座 関西で歌舞伎を育てる会公演。昼の部観劇。
  第一「歌舞伎の見方」
  第二「鳴神」 海老蔵(現団十郎)の鳴神上人、沢村藤十郎の雲絶間姫ほか。海老蔵の鳴神の大らかなエロシチズムが楽しかった。

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  第三「伊勢音頭」  扇雀(坂田藤十郎)の貢、沢村藤十郎のお紺、海老蔵の喜助、八十助(現三津五郎)の万次郎、智太郎(現翫雀)のお岸、二代目鴈治郎の万野ほか。これは二代目鴈治郎の万野に止めを刺します。「どうなとしいな」と言って、貢にしなだれかかる憎憎しさと愛嬌!

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12月 南座顔見世 昼夜観劇。
 昼第一「種蒔三番叟」  我当の三番叟、秀太郎の千歳。
  第二「実録先代萩」  七世梅幸の浅岡、十三世仁左衛門の片倉小十郎、坂東蓑助(十世三津五郎)の松前鉄之助ほか。お芝居をしない梅幸と、細々と芝居をする仁左衛門の不思議なハーモニー。
  第三「すし屋」  二世松緑の権太、海老蔵(現団十郎)の維盛、扇雀(現坂田藤十郎)のお里、三世権十郎の弥左衛門、福之助の弥左衛門女房、蓑助の梶原ほか。松緑が鮨桶を抱えて花道を引っ込む際の見得を切った顔の立派さ!

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  第四「廓文章」  十三世仁左衛門の伊左衛門、我童(十四世仁左衛門)の夕霧、三世権十郎の喜左衛門、秀太郎のおきさ、我当の太鼓持ち。伊左衛門と夕霧の古風な美しさを堪能。

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  第五「年増」「供奴」 十七世勘三郎の年増、勘九郎(十八世勘三郎)の供奴。

  夜第一「外郎売」  海老蔵(現団十郎)の外郎売実は曽我五郎、三世権十郎の工藤、沢村藤十郎の曽我十郎、我当の小林朝比奈、勘九郎(当代勘三郎)の舞鶴、秀太郎の大磯の虎、嵐徳三郎の少将ほか。
   第二「逆艪」  十七世勘三郎の松右衛門、十三世仁左衛門の権四郎、雀右衛門のお筆、沢村藤十郎の松右衛門女房、我当・勘九郎・家橘の船頭、扇雀の畠山重忠ほか。十七代目の松右衛門の芝居っ気が実に面白かった。

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   第三「藤娘」「鳥羽絵」 七世梅幸の藤娘、二世松緑の下男升六。松緑の「鳥羽絵」の軽妙さ!
   第五「曽根崎心中」  中村智太郎(現翫雀)の徳兵衛、扇雀(現坂田藤十郎)のお初、三世権十郎の九平次、四世菊次郎の久右衛門、中村太郎の平野屋主人ほか。二代目鴈治郎病休で孫の智太郎が徳兵衛を代演。17歳のフレッシュな徳兵衛の生々しさを鮮明に思い出します。
  「英執着獅子」  雀右衛門の傾城・後に獅子の精。

昭和56年
 6月 中座  関西で歌舞伎を育てる会公演
  夜第一「番町皿屋敷」  菊五郎の青山播磨、沢村藤十郎のお菊、坂東蓑助(九代目三津五郎)の放駒四郎兵衛、尾上菊蔵の伯母真弓、寿美蔵の柴田十太夫ほか。この芝居の所見でしたが、お菊を殺して井戸に死体を放り込む結末が後味の悪く、この芝居があまり好きでなくなりました。
   第二「三人吉三・大川端」  七世梅幸のお嬢吉三、扇雀(現坂田藤十郎)のお坊吉三、我当の和尚吉三、八十助(現三津五郎)のおとせほか。梅幸のお嬢のサラサラした演技が忘れられません。
   第三「連獅子」  蓑助(九代目三津五郎)の親獅子、八十助(現三津五郎)の子獅子、坂東慶三(現秀調)と弥十郎の宗論。

 8月 南座 「宿無団七時雨傘」  中村扇雀(現坂田藤十郎)団七茂兵衛、秀太郎のお富、富十郎の岩井風呂の治助、我当の堺の大治、五世片岡市蔵の高市数右衛門、市川寿美蔵の川九、中村鴈之丞(桜彩)の治助女房お梶、中村太郎の力士・万力、二代目鴈治郎の並木正三ほか。二代目鴈治郎の正三が実に不思議で面白い芝居を見せてくれました。

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 9月 南座  関西で歌舞伎を育てる会公演
  昼第一「歌舞伎の見方」
   第二「土蜘」  初代辰之助の土蜘の精、雀右衛門の源頼光、我当の平井保昌、沢村藤十郎の胡蝶ほか。辰之助の土蜘の引き締まったシャープさとダークさが鮮烈な印象を残しました。
   第三「女殺油地獄」  実川延若の河内屋与兵衛、雀右衛門の豊島屋お吉、初代辰之助の七左衛門、市川寿美蔵の河内屋徳兵衛、市川福之助の徳兵衛女房おさわ、助高屋小伝次の森右衛門、我当の太兵衛、大谷友右衛門のおかちほか。延若の与兵衛に上方歌舞伎の複雑な味わいがありました。

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  夜第一「女鳴神」  沢村藤十郎の鳴神尼、我当の雲絶間之助、尾上松鶴(六代目松助)の佐久間玄蕃。
   第二「藤娘」「まかしょ」  雀右衛門の藤娘、延若のまかしょ
   第三「名月八幡祭」  初代辰之助の縮屋新助、雀右衛門の美代吉、延若の藤岡慶十郎、寿美蔵の魚惣、市川銀之助(当代団蔵)の三次、助高屋小伝次のおよしほか。

 
 12月 南座顔見世 昼夜観劇。
  昼第一「八犬伝・芳流閣」  秀太郎の犬塚信乃、我当の犬飼現八ほか。
   第二「鳥辺山心中」  孝夫の菊池半九郎、扇雀(坂田藤十郎)のお染、初代辰之助の坂田市之進、歌六の源三郎、東蔵のお花、寿美蔵のお染父ほか。
   第三「色釈間苅豆」  延若の与右衛門、芝翫之かさね。
   第四「九段目」  六代目歌右衛門の戸無瀬、時蔵の小浪、芝翫のお石、福助(梅玉)の力弥、十三世仁左衛門の本蔵、二代目鴈治郎の由良之助。
   第五「河内山」  吉右衛門の河内山、福助(現梅玉)の松平出雲守、富十郎の高木小左衛門、田之助の宮崎数馬、松江(現魁春)の浪路、寿美蔵の北村大膳ほか。

  夜第一「寿曽我対面」  歌昇の曽我五郎、歌六の曽我十郎、十三世仁左衛門の工藤、我当の小林朝比奈、田之助の大磯の虎、松江(現魁春)の少将、吉右衛門の鬼王ほか。
   第二「紅葉狩」  歌右衛門の更科姫、富十郎の平維茂、田之助の田毎、秀太郎の野菊、福助(梅玉)の山神、東蔵の右源太、橋之助の左源太ほか。
   第三「沼津」  扇雀(坂田藤十郎)の呉服屋十兵衛、延若の平作、芝翫のお米、歌昇の孫八ほか。
   第四「勧進帳」  初代辰之助の弁慶、孝夫の富樫、時蔵の義経ほか。

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